鮎返し の 滝 [鳥取市河内]
 鳥取市の南西端、野坂川上流の谷川にかかり「鮎返(あゆがえ)しの滝」と呼ぶ。高さ は10mに満たないが、石渓の景勝地に落ちる小ぢんまりした美しい滝である。  鳥取市から野坂川に沿う県道を松上方面へ。さらに進んで河内地区最奥部の安蔵集落に 着く。遊戯広場などのある”安蔵公園”を左手に見ながら集落を抜け、1kmほど奥の砂防 堰の手前から左の杉林に入る。少し下がったところで山道を伝い、200mほど進んだあ たりで自然木の密生する谷底に向かう。やがて水音が高まり、奇岩の起伏が続く渓流が現 れる。滝は、その上流の巨石の狭間に落ち、美麗な姿を見せている。  青々と澄みきって広がる滝つぼに、水音さわやかに白流が跳ね落ち、周囲に茂るカシ、 モミジなどの緑と鮮やかなコントラストを見せて、一服の涼味を感じさせる。清流を遡上 する鮎も、ここで引き返さざるを得ないという、滝の名称の由来がうかがえる。滝の下流 約50mにわたる石渓には、滑滝、凹穴、淵などが連なり、秘境に造形された見事な自然 美である。昔、この滝つぼは非常に深く、一層幽遠の趣きがあったと聞く。 



布が滝 .葛 滝 [鳥取市河内]


葛 滝 
 鳥取市の南西端、野坂川上流の谷川にかかる「布(ぬの)が滝」。高山山麓の秘境に連 なる滝の一つ。約25mの高所から一気に落ちる素朴で美しい滝である。
 「鮎返しの滝」への道順で、河内地区最奥部の安蔵集落を抜け、1km余り先から左に延 びる林道を通って雑木の茂る山道に入る。道中は、ほの暗く冷気が漂う中に、巨木にまつ わりつく無数の太い葛が不気味に目に映る。
山道を500mほど進んだあたりの左の谷底に、高さ15m余りの瀑布がある。深い緑に包まれた岩場を率直に落ちる滝であるが、 名称が無いとのこと。葛の自生地にちなんで「葛(かずら)滝」と仮称する。 そこから自然林に覆われた谷川を伝い、幾つかの砂防堰を越えて、道無き道を約1km上ると「布が滝」に着く。 原生林の狭間の、研ぎ澄ましたような岩肌を、白流が一直線に滑り落ち、激しい水音を幽谷に響かせている。 その様相は、あたかも白布を垂らしたように美しく爽快で、名称の由来がうなずける。 ここからさらに奥へ行くと「簾(すだれ)滝」がある。それぞれ名称の付いた奇瀑も、山峡に埋もれているのが惜しまれる。


 布が滝