三 滝 [八頭郡智頭町]
 東山、沖ノ山に源を発する北股川の上流にかかる「三(み)滝」。 高さ21mとあまり高くはないが、新緑に映え、また紅葉に染まる周囲の景観に、見事な添景をもたらしてい る滝で、辺りを散策する人々に大自然美を満喫させてくれる。
 鳥取市から国道53号を智頭方面へ。智頭から国道373号を経て、芦津地区に向かい、 その集落を抜けて渓流沿いの林道を奥へ進む。 発電所を左手に眺めながら、整然と植林された杉木立を縫ってしばらく行くとトンネルがある。 そこから標識に従って左の遊歩道に入る。 深い原生林の中を700mほど行くと水音が高まって、眼下に瀑布が現れる。
 滝は二つの流れからなり、向かって右側の流れは、中間に小さな滝つぼがあって二段と なって落ち、左側の流れとあわせて三段の滝で「三滝」と称されている。 深い谷底の青々とした滝つぼに、二条の白流が踊り跳ねて吸い込まれる神秘さは、古来、 龍神が宿るといわれ、雨乞いの神として信仰を集めていた往時がしのばれる。 現在このご神体は、上流のダムのほとりに「三滝神社」として移遷されている。



石臼の滝 . 二ツの滝 [八頭郡智頭町]
 東山を源とした北股川上流の大川にかかる「石臼(いしうす)の滝」。 秘境の石渓に連なる奇瀑の一つで、白流が乱舞する斜流の滝である。
 鳥取市から国道53号を南下。智頭から国道373号を経て芦津地区に向かい、その集落を抜けて渓流沿いの林道を奥へ進む。 発電所を過ぎ、トンネルを抜け、延々と続く林道を進むと左眼下にダムが現われる。 そのすぐ上流で左側の道に入り大川沿いにさらに奥へ進む。 トンネルから5.5 kmほど進んだあたりに谷底に向かう遊歩道がある。 それを下りるとすぐ上流に、巨岩の二つの狭間を白流が壮快に落ちる「二(ふた)ツの滝」が見える。 そこから渓流沿いに延びる遊歩道を下れば、緑に包まれた石渓を白流が滑る美しい景観が続き、 その途中約1kmに亘って「下の滝」「滑の滝」「小臼の滝」「石臼の滝」「薬研の滝」が連なる。 中でも「石臼の滝」は特に壮観で、岩の急斜面にできた大きな凹穴に白流が踊り跳ね、しぶきを飛ばして勇壮に滑り落ちている。 昔、上流の伐木を渓流に流して運んでいたが、流木がこの凹穴にはまりこんで難儀をしたと聞く。



宇波 の 滝 [八頭郡智頭町]
 千代川支流の新見川に注ぐ谷川にかかる。地名から「宇波(うなみ)の滝」と呼ぶが、 地元では「横谷の滝」ともいう。高さ約40m。スケールの大きさを誇りながら世に知ら れず、山深い谷あいにあって孤独に流れ続けている。
 鳥取市から国道53号を南下。智頭の街から物見峠に通ずる県道に入り奥地へ進む。新 見集落の手前で、右前方の森の中に名刹「豊乗寺」の赤瓦山門が見えてくる。さらに奥へ 進み、口宇波地区から右折して宇波集落に着くとすぐ左の林道に入る。1km余り進んだと ころで右の横谷に入り、渓流に沿った山道を上る。20分ほど上ったあたりで水音が高ま り、谷底に滝が見え隠れしてくる。雑木林の中を、小枝につかまり足元を確かめながら谷 底に下りて、薄暗い川原に立つ。
 見上げる滝は、樹木に覆われた高い岩頭に流れ出た白流が、五段の層をなした急斜面の 荒々しい岩盤を、右に左にと滑り落ち、壮大で美しい姿を見せている。濡れて輝く黒い岩 肌が、壮観を一層引き立てている。



宇塚 の 滝 [八頭郡智頭町]
 千代川支流の土師川に注ぐ谷川にかかる。高さ約13m。地名から「宇塚(うづか)の 滝」と呼ぶ。古くから「お滝さん」とも呼ばれて信仰を集め、地元の人々と深いかかわり を持ってきた滝で、山奥の聖域でこじんまりと流れ続けている。
 鳥取市から国道53号を智頭方面へ。智頭の街からさらに進み、JR那岐駅前付近で右 の県道に入って西宇塚地区へ。右手に「那岐神社」の社叢を見ながら進んで、物見峠方向 へ約1km行くと左手に滝の案内板が立つ。杉林の中の、ほの暗い山道を200mほど上る と、静かな山あいに水音が高まり、白布が垂れたような流れが見えてくる。
 赤茶けた層積の岩盤を白流が広がり落ちて、覆う木々の緑と美しいコントラストを見せ ている。昔の滝つぼは、今よりも深く青々と水を湛えていて、一層幽玄神秘な風情であっ たと伝え聞く。右の山肌には小さな護摩堂が建ち、不動明王が祀られていて厳粛な気持ち にさせる。堂の柱には、遠くからの信者の名も印されていて、厚い信仰の場であったこと がうかがえる。今なお縁日には、僧侶によって護摩が焚かれ、信者で賑わうという。



滝谷 の 滝 [八頭郡智頭町]
 千代川に注ぐ小さな谷川にかかる。地名から「滝谷(たきだに)の滝」と呼ぶ。 高さが10m余りの岩肌をなめる滝で、神社に隣接する聖域にあって、不動尊を祀って「お滝さ ん」とあがめられ、尊厳なたたずまいを見せている。
 鳥取市から国道53号を南下し、智頭から国道373号に入る。 1km余り進むと左手に「杉神社」への標識があり、そこから林道を400mほど上ると、右手の杉木立の中に三角塔の「杉神社」が見えてくる。 その境内の手前で右の山道に入り、50mほど上ると、正面に延びる十数段の石段の上に、不動明王を祀る小さな祠が建っている。 その左わきの岩壁を滑る白流と、祭神に仕え住むと伝えられる蛇の紋章をあしらった白い祀とが、 大杉やモミジなどに覆われた薄暗い空間に強烈に映えて、不気味さと壮厳さとが交錯する。
 古来この滝は、修験者の行場として広く信仰を集めていたという。 また、この滝を雄滝ともいい、100mほど上流に小さな雌滝があると聞く。