観音 滝 [西伯郡西伯町]
 法勝寺川支流の赤谷川に注ぐ谷川にかかる「観音(かんのん)滝」。高さは10mに充 たず水量も少ないが、静かな山中で、山岳仏教の名残を留める素朴な滝である。
 米子市から国道180号を南下。法勝寺の街を過ぎ、広大な緑水湖を左手に眺めながら 進み、その奥の早田地区から右の赤谷方面へ入る。あたりは田園地帯から山峡地帯へと変 わっていき、やがて赤谷集落へ着く。集落のはずれから標識に従って、農道から林道へと 600mほど進むと砂防堰堤に着き、そこから標識の指す山道に入る。杉や雑木の林を抜 けて200mほど上ると、二つの沢が出合う小さな広がりの向こうに滝が見えてくる。
 荒々しい石塊の重なりの狭間から、少量ながら勢いよく落ちる清流がパシパシと音をた てて跳ね返る。その音は、ほの暗く静寂な山あいに不気味に響きわたっている。右側の岩 壁に沿って、弘法大師や観音菩薩の石像が安置してあり、その前方には、古びた自然石の 灯籠がたっていて、古来、修験者の行場だったという名残を感じさせる。この霊場は、近 郷八十八札所の一つで、近世まで賑やかに巡礼が行われていたと聞く。