法師 ケ 滝 [気高郡鹿野町]
 河内川上流の谷川にかかる「法師(ほうし)ケ滝」。高さは15m余り。豊富な水が滔々と流れ落ちて、山奥の谷あいに水音を響かせている勇壮な滝である。
 温泉と城下町で知られる鹿野の街から県道を河内地区に向かう。佐谷橋を渡ったところで三朝町への道と分かれて左折し、上流へ2km足らず進んだあたりで右の農道に入る。 少し行くと滝への標識があり、そこから林道に入る。原生林や杉林の中のだらだら坂を上ると、15分ほどで行き止まりに着き、右の小道を通って標識の示す谷底に下りる。 谷川を飛び石伝いに100mほど上ると、しぶきをあげて落ちる瀑布が見えてくる。
 滝の頂きには古木が茂り、その岩間から白流がごう音を発して一気に流れ落ちている。 その様相は、まさに豪快、壮厳。岩肌に密生する水草の緑が、飛び散る水煙に濡れて輝いている。 滝の由来は定かでないが、”法師”という名称から、古来、坊さんの修業場であったらしい。 近年、訪れる人もほとんど無く、埋もれた名瀑であったが、近年、”鹿野町ふるさと運動”の一環として見直され、子供会の遠足などで時折賑わうと聞く。



不動 滝 [気高郡青谷町]
 勝部川支流の不動谷川幽谷にかかる「不動(ふどう)滝」。高さは約15m。不動山の 霊域で、人の心を洗い清める三つの滝のうち「一の滝」ともよばれている。
 国道9号から青谷の西寄りを勝部川沿いの県道に入り南下する。右に鳴滝集落がみえる ころ、その山手の沢を六段に流れ落ちる「鳴滝」が遠望できる。さらに行って八葉寺川が 本流に注ぐ地点から右の農道に入る。不動谷川に沿って奥へ進むと、道端に経文が印され た立て札が並び、不動山の霊域に近づいた感じがしてくる。700mほどで不動山境内に 着く。古木の立ち並ぶ坂道を少し上ったところに護摩堂が建ち、滝はその奥に水音を響か せて落ちている。水量は少ないが、見上げる岩頭から薄暗い滝つぼめがけて一気に流れ落 ちている。その飛沫は荒々しい岩肌を濡らして輝かせ、訪れる人を冷気で包む。滝の前に 巡らせた紅白の御幣が、しぶきに映えて尊厳な雰囲気に誘い込む。この霊場では、毎月三 日の縁日に湯三味祈願などの法要が営まれて、善男善女で賑わうと聞く。ここからすぐ近 くに、「湯原滝(二の滝)」「妙円滝(三の滝)」がある。



虎 落 滝 [気高郡青谷町]
 勝部川支流の八葉寺川上流にかかる「虎落(とらがおとしの)滝」。標高400mの奥地に隠れて、高さ30m余りの岩場を滑る荒々しい滝である。
 鹿野または三朝の街から県道を佐谷峠へ向かい、俵原地区から県営牧場への道に入る。 前方の広大な平原に放牧牛の群れを見ながら進み、やがて国有林道に入って植林地帯を縫って行くと、6km余りで行き止まりの広場に着く。 視界が開ける彼方には、鉢伏山などの雄大な山並みが続く。 そこから急斜面のジグザグ道を下って約200mの深い谷底に向かう。 荒い谷底に立つと、はるかに瀑音が聞こえる。それを目指して渓流伝いに上流へ。 50分ほどかかって、ようやく小さな瀑布や斜流が続く岩盤にたどり着く。 そこを上って行くと前方に水音を響かせる滑滝を見上げる。 そそり立つ断崖の頂に古木が茂り、そのほの暗い合間を滑り出た白流が、荒々しい岩肌を跳ねて幾条にも広がり、豪快で美しい紋様を 描いて落ちている。見事な自然の演出である。 昔、辺りに生息した虎を、この滝に追い落として退治していたことから「虎落滝」の名称がついたと伝えられる。



湯原滝 .妙円滝 [気高郡青谷町]



湯原滝 
 青谷御滝山の霊場には、一の滝「不動滝」をはじめ、周辺400mの範囲にそれぞれ趣きを異にする、二の滝「湯原(ゆばら)滝」、三の滝「妙円(みょうえん)滝」がある。
 不動山境内の駐車場から奥に延びる林道を200mほど進んで、標識の指す左手の遊歩道を下りると、休憩所などがある広場に着く。 その前を進むと正面に「湯原滝」が見えてくる。 約20mの岩頭から水膜をつくり、裾を広げて一気に滝つぼを洗う様相は、まさに壮快で男性的である。薄暗い岩壁に密生した水草が、しぶきに濡れて妖しく光っている。
この滝の前の右手に「妙円滝」への遊歩道が延びている。それを200mほど上りつめる と、ささやくような水音が近づき、谷川の広がりに、しぶきをあげる「妙円滝」が姿を現 す。高さは20mほどで、白流が岩肌を撫でて広がり、美しい紋様を描きながら、青々と した滝つぼに吸い込まれている。柔和で女性的な流れは、お地蔵さんの頭を撫でさすって いるようで、この滝を「地蔵滝」とも呼ぶと聞く。御滝山は”青谷町ようこそ音頭”の一 節にも唄われているように、青谷町の誇る景勝の地であろう。


 妙円滝